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何事にせよあやかって世に出る書物の数は質と無関係らしい。この本から「ダーウィン医学」の文字を取り去れば、新しい視点があるわけでもなく、病気のメカニズムをせいぜい一知半解程度に解説した内容しか残らない。帯の「風邪を薬で治そうとするとぶり返しが起こりやすい」ことの生理的理由など、ブルーバックスを手にするような、科学リテラシーを備えた読者にはいまさらであろう。さらに、別レビューにも書かれているが、生物学が医学に無批判に干渉して生じる危険な空気すら感じる。同じ生命科学でも、種の維持という観点を重視する生物学と、個人の生命を救うことを絶対視する医学との断絶は、「ダーウィン」という便利な名前で埋められるほどお気楽とは思えない。さらに、歴史上出現した進化論を振りかざす危険な思想に、著者は都合よく目を閉ざしているのか。それだけではない。鳥類が「前肢を羽に変えて空に飛び上がるために、二足歩行にな
らざるを得なかったようにも見える」のは著者だけのようで、獣脚類の一部は鳥類に進化するはるか以前から二足歩行していた可能性が高いことは、恐竜好きなら子供でも常識の範囲だ。「おわりに」で「随所に間違いや思い違いが紛れ込んでいるかも知れない。もちろん、そうした点についての責任は全て筆者ひとりにある」と断ってあるとはいえ、正しくダーウィン医学を推進している医師や研究者は困惑しているのではないか。ダーウィンとおぼしき老医師がマスクをした猿を診察しているかに見える表紙絵に至っては「猿が進化してヒトになった」という進化論の根本にかかわる曲解を...
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